推薦入試や一般入試の国語で出題される作文(小論文)の問題。試験本番が近づいてくると慌てて対策を始める子が多いですが、親が見ても読めないようなひどい文章を書いてしまう子も少なくありません。
私もちょうどこの時期になると家庭教師をしているご家庭から「作文を見て欲しい」とお願いされますが、最初の頃は解読が必要な意味が分からない文章を書いてくる子が多く大変苦労します。
しかし、そんな子でも今回お教えする5つのコツを意識することで時間をかけずに自分の意見をしっかりと伝えられる文章を書けるようになります。
作文の対策にはあまり時間をかけられないと思いますが、意識するだけでも一気に読みやすい文章になるのでぜひこの記事を参考にして取り組んでみて下さいね!
まずは作文を書かせてみよう
さっそくコツをお教えしたいところですが、お子様が書いた作文を見ながらチェックしていく方が勉強になるのでまずはお子様に作文を書いてもらってみて下さい。
課題は
「高校生活の中で力を入れたいことは何ですか?卒業後の進路についても触れながらあなたの考えを述べなさい」(300字)
で書いてみましょう。できれば原稿用紙をコピーなどして書いてみて下さい。
書けたらその作文を見ながら、上手く書くコツについて見ていきましょう。
1.正しく原稿用紙を使う
まずは内容以前の話で、原稿用紙をちゃんと使えているかをチェックしてみましょう。
- 段落の最初は1文字下げる
- 句読点、「」は1マスに書く
- 句読点、」は行の最初には書かない
- 勝手に改行しない
などです。
採点上どういう評価がつくのかは分かりませんが、こういった原稿用紙の使い方ができていないと非常に印象は悪いですし、読みにくくなります。
一番基本となる原稿用紙の使い方が間違っていないかを確認してみて下さい。
2.ですます調、時制を一致させる
次に
- です・ます調とだ・である調
- 時制(です。でした。)
を一致させられるようにしましょう。
です。ます。で文末を終える「です・ます調」と、だ。である。で文末を終える「だ・である調」のどちらを使うべきかは議論の分かれるところですが、1つの文で「です・ます調」と「だ・である調」が混在していると非常に読みにくい文章になってしまいます。
「私は高校では英会話を勉強したいと思っています。なぜなら海外の大学に留学したいからだ。」読みにくいですよね。
意外とやってしまう子が多いのでどちらか一方に統一して書くようにしましょう。
また、過去形と現在形が混在しているのも多く見受けられます。もちろん上手く使いこなせている場合には全く問題ないのですが、
「小学6年生の時にはじめて海外に行きましたが、全く違う文化に触れて面白いと思う。」
このように明らかに過去のことを話しているのに現在形を使っているのは直すようにしましょう。
3.正しい漢字と日本語を使う
次に正しい漢字と日本語を使えるようにしましょう。
特に漢字が間違っている、分からなくてひらがなで書く子が多いのですが、これも非常に印象が悪いです。
「英語で話しかけられたとき、私は困わくしてしまいました。」
読みにくいですし内容も伝わりづらくなります。1つ間違えるごとに減点される可能性もあります。
また慣用句や定型表現を間違った意味で使ってしまうことにも注意が必要です。
本文を読んで意見を述べるタイプの問題では、本文の表現をそのまま使おうとする子も多いのですが、間違った意味で使ってしまうことも少なくありません。
意味が分からない1文が出てくると、全体の意味も伝わりにくくなってしまうので気を付けるようにしましょう。
4.問いに答える
今回の課題は 「高校生活の中で力を入れたいことは何ですか?卒業後の進路についても触れながらあなたの考えを述べなさい」 でした。
当たり前のことですが、作文では
- 高校生活の中で力を入れたいこと
- 卒業後のあなたの進路
この2つは必ず明確に伝えなければいけません。
この聞かれたことに答えることができていない子が本当に多いです。
今回の課題はあえて簡単なものにしてみましたが、難解な課題になってくると内容を考えるのに必死になって聞かれていることに答えていない解答が増えてきます。
しかし、大前提として作文でも聞かれたことへの解答をしなければいけません。
「賛成か反対かあなたの意見を述べなさい」なら「私は賛成です」
「リモート学習は学力を下げると思うか?」なら「リモート学習によって学力は下がると私は思います」が作文の1番の柱となります。
例えば今回の課題だと将来の進路について触れられていなければどんなに良い文を書いても解答としてはイマイチです。
まずは明確に問いに答えることを意識して作文を書くようにしてみましょう。
5.主張と理由の論理関係に気をつける
作文では自分の主張に対してどうしてそう思うのか、自分なりの根拠を説明していくことになります。
「私は英語を勉強したいと思います。なぜなら将来は海外の大学に留学したいと考えているからです。」
この文では英語を勉強したいという理由に対して、海外の大学に留学したいという理由を示しています。意味が通っていて、どうして英語を勉強したいのか分かりますね。
では次の例はどうでしょうか?
「私は英語を勉強したいと思います。なぜなら小学6年生の時に親に外国へ連れて行ってもらったからです。」
同じように理由を説明しているのですが、主張を支える根拠が弱いですよね。主張とその理由との論理関係が成り立っていないことが分かります。
「主張を書いて、次にその理由を書く」ことは分かっていても、理由になっていない理由を書いてしまいがちです。
なぜなら○○だからです。と理由を書くときには、第3者がそれを読んでも理解できるかどうか、筋が通っているかどうかを確認しながら書くようにしましょう。
さっきの悪い例を直すとするなら
「私は英語を勉強したいと思います。なぜなら私は小学6年生の時に親に外国へ連れて行ってもらった際に異国の文化に触れ、その面白さを知りました。それ以来異国の文化についてさらに深く学びたいと思っており、海外の大学へ留学したいと考えているからです。」
比較のため少し不自然な文になってしまいましたが、これだと主張の理由がはっきりと分かりますね。
このように理由を書くときには誰でも理解できるような内容になっているかを確認しながら文を考えるようにしましょう。
まとめ
高校入試の作文・小論文のコツは
- 正しく原稿用紙を使う
- ですます調、時制を合わせる
- 正しい漢字と日本語を使う
- 聞かれたことに答える
- 主張と理由の論理関係に気をつける
というものでした。
前半3つは内容以前の話、後半2つは内容面での最低限注意するポイントですが、この基本ができていない子が非常に多いです。
この5つのポイントを押さえて作文を書くことができれば、自分の意見をしっかりと伝えることのできる内容に仕上げることができます。
3部構成だとか、具体例を入れるだとかといったテクニックもありますが、それよりは今回紹介したことの方が重要なのでこの5つに注意しながら作文の練習をしてみて下さいね!
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