公立高校を受験する際に大切になるのが内申点です。これまでお子様の内申点を計算したことはありますか?
「内申点ってそれぞれの成績を足すだけじゃないの?」
実はその計算で求めているのは素内申というもので、受験で実際に使われるのは”換算内申”や”調査書点”といった数値です。
それぞれの成績をそのまま足しただけの値は受験では使われません。受験で使われる値は、もう少し複雑な計算を加えたものになります。
そこで今回は、実際に受験で使われる内申点の計算方法を解説します。
Contents
ステップ1:素内申を計算しよう
まず計算するのは素内申です。これは既に求めたことがあるのではないでしょうか?
素内申の計算方法
素内申とは各教科の成績を単純に合計した値です。全部で9教科、それぞれでの満点が5点なので、満点は9×5=45点になります。
例
国4数3英5理3社4体5美技4家3音4の場合
4+3+5+3+4+5+4+3+4=35
素内申の持つ意味
素内申は
- 内申点の良し悪しを測る指標
- 推薦入試で使用する
としての意味があります。
まず素内申は簡単に計算できる値であるため、お子様の内申が志望校に対して良いのか悪いのかを判断する基準になります。
「A高校に合格するためには、内申36は欲しい」と言われるのはこの素内申のことです。そのような判断基準としては使いますが、実際にこの内申36という値が入試で使われるわけではありません。
また、推薦入試ではこの素内申の値がそのまま得点として利用されることが多いです。私立の推薦入試では出願時の足切り基準として使用されることもあります。
ステップ2:換算内申を計算しよう
次は換算内申を計算します。実際に受験で使われる値なので、換算内申までは受験が近づいてきたら計算しておきましょう。
換算内申とは?
換算内申とは、素内申に都道府県独自の計算処理を加えた値です。
公立の一般入試では、この換算内申の値が合否の判定に利用されます。
都道府県によって計算方法が違うため、まずお住まいの地域の教育委員会のHPより換算内申の計算方法を調べましょう。
換算内申の計算方法
細かい計算方法は都道府県によって異なりますが、その方法は大きく2種類に分けられます。
それぞれの計算方法の例をお教えするので、参考にしてみてくださいね。
ケース1:教科に比重をつけて計算するタイプ
東京都などがこれに当たります。単純に足し合わせるのではなく、特定の教科だけ2倍するなどして比重をつけた計算をするやり方です。
東京都では、副教科の成績を2倍して計算します。そのため満点は
5教科:5(それぞれの満点)×5(教科数)=25
副教科:5(それぞれの満点)×4(教科数)×2=40
合計:25+40=65点となります。
東京都の例
国4数3英5理3社4体5美技4家3音4の場合
4+3+5+3+4+(5+4+3+4)×2=51
ケース2:3年間の成績を足し合わせるタイプ
埼玉県などがこれに当たります。全国的にはこちらのタイプの方が多いです。
こちらのタイプでは1,2,3年生の成績を合計して、中学校での内申を評価します。
例えば埼玉県では1年、2年の3学期の素内申と3年生の2学期の素内申を2倍したものを足したものを換算内申とします。
換算内申=
(1年生の素内申)+(2年生の素内申)+(3年生の素内申)×2
満点は45+45+45×2=180点です。
埼玉県の例
1年の素内申:30 2年:34 3年:36の場合
30+34+36×2=136
換算内申の持つ意味
換算内申は
- 実際の入試で使われる数値
としての意味があります。実際に入試で使われる形に変換しているので、素内申だけでは分からない内申の良し悪しを知ることができます。
例えばケース1の東京都の例だと、副教科の成績の方が重要ということが分かります。同じ素内申35でも、副教科の合計が高い方が実際の入試では有利になるのです。
ケース2の埼玉県の例だと、3年生の成績が36とそこそこ良くても1,2年生の成績が悪いと受験では不利になることが分かります。
このように実際の入試での点数を知ることができるので
国語を3→4にするよりは、体育を3→4にした方が良いんだ!
などのように、受験に向けて内申点をどのように上げていくべきかを知ることができます。
調査書点は計算する必要はない
今求めた換算内申から調査書点を計算することができます。ただし、調査書点は計算する必要はありません。換算内申まで計算すれば十分です。
ちなみに、調査書点は多くの都道府県で
調査書点=換算内申×○○(○○は数字)
として求められます。何倍かするだけですね。
調査書点について詳しく知りたい方はこちらの記事を見てみてください。
1度は都道府県の教育委員会のHPを見てみよう
ここまで内申点の計算方法をお話ししましたが、換算内申の計算方法は都道府県や高校によって異なります。
それぞれの地域の教育委員会のHPに載っていますので、1度調べてみてみましょう。
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